彼女と温泉旅行に出かけたときの話
私には付き合って3年になる彼女が居ます。
このお話は、その彼女と温泉旅行に出掛けたことから始まります。
付き合って2年になる冬のこと。
いつものように彼女と何処へ出掛けたいかを話し合っていました。
寒かったこともあり、彼女が「近場でもいいから温泉に行きたい!」と言ったので、2泊3日で温泉で有名な隣県へと出掛けることにしたんです。
泊まりで出掛けることは初めてだったこともあり、お互いに大いにはしゃいでいたことを覚えています。
ゆっくり温泉に浸かったあとは、部屋でのんびりと過ごしたり温泉街を散策したりと、それは楽しいひとときを過ごすことが出来ました。
自宅に帰り、いつもの日常生活を送っていたんですが、温泉旅行から帰って1週間ほど経った頃です。
夜、自宅でテレビを見ながらのんびり過ごしていると彼女から電話が掛かってきました。
電話に出ると、落ち込んだ声の彼女が言ったんです。
「私、性病になった…」と。
私は信じられない気持ちでいっぱいでした。
まさか彼女が浮気をする子に思えなかったからです。
しかし、絶対に浮気をしていないと必死になって訴えてくる彼女を信じていた私は、
念のために病院で診察をしてもらうことにしました。
その病院の検査結果で、トリコモナスという原虫が原因のトリコモナス症であることが明らかになったんです。
そう、彼女と全く同じ性病に感染していたことが明らかになっていたんです。
しかし、かくいう私も自慢ではありませんが、
彼女とお付き合いしている間に他の女性と性的な関係を持ったことがありません。
そのことを病院の先生に伝えると、先生から返ってきた答えは意外なものでした。
実は、トリコモナスという原虫は、温泉や銭湯などの公衆浴場でも感染する可能性があるということです。
その話を聞いた私は、あの温泉旅行のことを思い出しました。
きっとその旅行中に入った温泉内で感染したのかもしれません。
彼女にそのことを伝えたところ、温泉旅行から戻って1週間も経たないうちに症状が現れたとのことでした。
私に症状が全く現れなかったのは、病院の先生によると男性のほとんどは女性に比べて症状が現れにくいことにあるそうです。
その後、お互いに治療に専念し、1週間ほどで完治することが出来ました。
今では、私を信じて正直に話してくれた彼女に感謝の気持ちでいっぱいです。
また、性行為を行わなくても感染する可能性がある性病があることを学べたことも大きな経験となっています。
ドクターより一言
トリコモナスは、原生生物である膣トリコモナス(Trichomonas vaginalis)が体内に寄生することで引き起こされる性感染症なの。
今回のケースのように、女性側だけに症状が強く現れて、男性にはほとんど症状が現れないこともあるけれど、男女共に自覚症状を伴わないケースもあるのよ。
基本的には性行為によって感染するものだけれど、トリコモナスは乾燥に非常に弱い性質を持つ一方で、水中では長時間の感染性を維持することが知られているわ。
だからこそ、トイレや浴室などで感染するケースもあるのよ。
それに、いつ感染したかどうかが分かりにくい性感染症でもあるわね。
感染すると、女性の場合には5日から28日以内に症状が現れることが多いわ。
オリモノが黄緑色に変色して泡立った状態で現れるのが大きな特徴ね。
膣や外陰部に強いかゆみや痛みを伴うこともあるわ。
でも、男性の場合は彼のように症状がほとんど現れないの。
症状が現れた場合でも、だいたい2~3週間もすれば症状が治まってしまうから、放置してしまう場合が多いわ。
そのため、男性側から女性側へと感染させてしまうケースも多いわね。
今回は、彼女が正直に彼に話してくれたおかげで、彼も感染を知ることが出来たんだけれど、こういった機会が無い限りは男性自身が気づくことは難しいと言えるから、出来るだけ定期的に性病検査を受けて欲しいわ。