B型肝炎になった時の話
半年ほど前から身体のダルさや吐き気、
食欲不振といった症状が現れてきたんですね。
最初は単に残業続きで疲れているだけかなぁ…
なんて思っていたんですが、2週間経っても全く症状が改善されなかったんですよ。
「もしかしたら胃に何らかの病気があるのかも…」と思い、
会社を午前中だけ休んで専門の病院に行くことにしたんです。
病院の先生には「たぶんストレスかもしれない」と言われていたんですが、
念の為に胃カメラと腹部エコー、血液検査を受けることになりました。
胃カメラでは何の問題も現れなかったんですが、腹部エコーと血液検査で異常が認められたんです。
なんでも、腹部エコーでは肝臓の肥大と血液検査ではASTとALTという酵素の数値が高いという診断でした。
そこで病院の先生に告げられた病気名は「B型肝炎」だったんです。
そういえば、会社の健康診断で肝機能の異常を指摘されていたんですが、
大したことないだろうと楽観視していたんですね。
先生によれば「急性肝炎」を発症している状態だったそうなんですが、
急性肝炎の場合にはウイルスが自然に排除されるのを待つだけで十分であると言われました。
ただ、急性肝炎を発症する人の中には「劇症肝炎」になることがあるので、
定期的に通院をすることになりましたが。
今回初めて知ったことは、B型肝炎はウイルスに感染することで発症し、
しかもセックスで感染することがあるということです。
その当時は合コンで色んな女の子をお持ち帰りしていたため、
どの子がウイルスを保有していたのかは分かりませんが、
家族に肝炎を発症した人間が居なかったこともあり、
ほぼセックスによって感染したのではないかということでした。
まさか自分がB型肝炎になるとは夢にも思っていなかったので、
今回このような結果になってしまったことに驚きを隠せません。
ドクターより一言
現在、日本国内のB型肝炎患者数は120万~150万人とも言われているわね。
一昔前までのB型肝炎の主な感染経路は、
B型肝炎ウイルスに感染した母親からの感染、
いわゆる母子感染(垂直感染)によるものだと言われていたわ。
ただ、母子感染予防策が実施されるようになってからは、
この母子感染によるケースは激減しているの。
その代わりに急増しているのが性行為による感染ね。
B型肝炎ウイルスは非経口感染するタイプで、
近年は若い世代を中心に性行為による感染が急増しているのよ。
成人してからB型肝炎ウイルスに感染した場合、
彼のように「急性肝炎」を発症するケースと、
全く症状が現れずに自然治癒する「不顕性感染」というケースがあるわ。
急性肝炎を発症する場合、人によって異なるんだけど約1~6ヶ月の潜伏期間を経て症状が現れることが多いの。
その症状は全身倦怠感や食欲不振、悪心、嘔吐、黄疸と言われているわね。
ただし、急性肝炎を発症した場合でもこれらの症状が現れることがないケースもあるわ。
通常であれば、何も治療をしなくても自然治癒するものなんだけど、
急性肝炎を発症した患者のうち約1~2%が「劇症肝炎」を発症するケースがあるの。
この劇症肝炎を発症すると、重度の肝不全や意識障害を引き起こして命に関わる危険性があるわね。
劇症肝炎を発症した患者の約70~80%が死亡するという報告もあるのよ。
肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれているでしょ。
何らかの症状が現れたときには既に手遅れになっていることだってあるのよ。
だからこそ、一度でも性行為をしたことがある人は必ず肝炎ウイルス検査を受けること、
健康診断で肝機能の異常を指摘されている場合には早急に専門の医療機関を受診することを強くお勧めするわ。