性病とは本来、特定の病気を指す言葉でしたが、近年では主として性行為によって感染する病気をまとめて呼ぶことの方が多くなっています。現代では、性病の事を総称し性感染症とも呼ばれています。
性病は、医療技術の進歩や抗生剤の開発によって治療がしやすくなってきた反面、安易に性行為に及んだり、何度も感染を繰り返し抗生剤が効かない病原体や、新しく強い病原体などが増加しているのが現状です。 また、市販薬の乱用も危険です。
自覚症状(自分で感じる症状)の強い性病は早期発見ができても、自覚症状が弱い病気は治療が遅れ、どんどん感染を広げているのです。 特に性病全般的に自覚症状が弱い女性は、知らず知らずに感染を広げている事がとても多いのです。
性病に限る事なく、感染病は自然発生するものではありませんが、体内に病原体が入って感染というわけでもありません。侵入した病原体が体内で増殖し、それに対する体の免疫能力が限界を超えてしまう事で、初めて「感染・発症」するのです。
感染経路のほとんどが、唾液や血液などの分泌液からの感染です。傷口や粘膜が弱い部分は、体を守るバリアが貼られていない為、病原体が簡単に侵入してしまうのです。
特に性行為は、粘膜と粘膜を擦りつけて行う行為なので、粘膜自体にも傷をつけてしまうことがあります。しかし、病原体が傷や粘膜へ接触することがなければ感染の可能性はありません。
よく性病は「若者の病気」や「遊んでいる人がかかる病気」と思われがちですが、性行為をする人であれば誰でも感染する可能性があり、安易に考えている人ほど実はとても危険なのです。
また、風俗などへよくいく方の場合は風俗嬢を介して性病に感染する可能性もあります。
最悪の場合、死にも至るケースもある性病ですが、まだまだ知識や理解が貧しいというのが現状です。
日本で最も多い性病は「性器クラミジア感染症」と言って、男性は排尿する時にかゆみや痛みを感じ、膿(うみ)が出ることもあります。女性の場合は子宮入口の管へ感染するのですが、女性の半数以上が全く症状を感じないと言われており、子宮外妊娠や不妊症の原因になることも少なくありません 。性行為で感染するだけでなく、オーラルセックス(主に口を使って行う性行為全般のこと)でも感染する可能性があるので注意が必要です。
性病で最も重要なのは「早期発見」と「早期治療」です。いかに早く発見し、早急に治療にあたるかによって、病気をコントロールできるかが大きく作用されるのです。
そして何より、性病は貴方だけでなく大切なパートナー、病気によっては家族までもを感染させてしまう可能性もあります。もしも、心当たりや不安がある場合、おかしいと思った場合は早めに病院で検査を受け確実に治療しましょう。
病院で検査を受ける場合、女性は婦人科、男性は泌尿器科で見てもらえます。皮膚に発疹などが出ている場合は皮膚科、喉や鼻に症状が出ている方は耳鼻咽喉科に行きましょう。HIVが心配の方は保健所で無料で検査を行うことが出来ます。